出て行った日の午後、里親卒業のはずがぴーちゃんは帰って来た。 やっぱり野鳥、お外がいいんだね。呼んでも戻って来なかったぴーちゃん。 すっかりあきらめて野生の生活に馴染むまでは苦労するだろうが、これで良かったのだと言い聞かせて自分を納得させていた。 その日は車ではなく歩いて買い物に出かける事にした。門を出てすぐにお隣のお庭でヒヨドリの叫ぶ声がした。 家の周りにはたくさんのヒヨドリが暮らしているのでまさかぴーちゃんではないと思ったが、「ぴーちゃん!」と呼んでみると「ピッ」と鳴く声がする。まさかとは思ったがもう一度呼んでみる。するとまた「ピッ」と返事がするのでもう一度呼んでみるとまた「ピッ」鳴いて返事をしたと思ったらお隣の垣根の上に飛んで来て私を見下ろす様に顔を見せ、甘える仕草で羽をプルプル振るわせて姿をみせた。 ちゃんと私の声を認識している。 「ぴーちゃんこっちにおいで!」と呼ぶがなかなか降りて来ない。家の屋根やら外の枯れた杉の木に飛んで行き、呼んでも戻る気がないんだなと思っていたらお庭のモクレンの木に飛んで来た。じっと確かめる様に私の顔を見る。安心したのか手に乗ってきたと思ったら、開けておいた玄関の扉から真っ先に家の中へ飛び込んだ。行く先はぴーちゃんの食事を置いてあるテーブルだった。 5時間ほど飲まず食わずだったのか真っ先にジュースをがぶ飲みする。そしてカットしてある巨峰を4つほど食べていつものくつろぎスペースのピアノの上のでっかい犬のぬいぐるみの上にとまり、ほっとしたのか何事もなかったかのように羽つくろいをはじめた。そしていつもの寝蔵にしている木刀に止まり、さっさと眠りに着いてしまった。 それからまたぴーちゃんは家で暮らしている。前よりもまとわりつくようにべったりだ。 内心うれしくて愛おしい。4ヶ月も一緒に生活しているとお互いの絆がすこんなにも強いものになっていたのかと思ってしまう。 またお外に出て行きたくなったら自由にさせようとは思うが、今のところはその気がないようだ。 冬になると家の庭の餌台には雀を始めとして15羽程のヒヨドリ、キジバト、ムクドリ、メジロ、アカハラ、シロハラ、ツグミ、モズ、ジョウビタキ、アオジ等がやってくる。 それを窓越しに見たらまたお外に出る気になるかもしれない。その時まで気長に待つ事にしようと思う。 |
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